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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の告白成就 <新訳・第1章 上条当麻の決意> (こんどは…なんだ……) 気が付くとまた、俺以外何もない空間へと辿り着いていた。 変わったことといえば、今度の夢は世界そのものがひどく漠然としていた。 そして、どこか懐かしく、優しく、暖かな光が俺を包み込んでいた。 (――どうやらここが終着点のようだな…、俺が、アイツと一緒に夢見てた幻想の…) 上条はインデックスの言葉を聞いて何もかも思い出したのだ。 美琴との思い出、上条からの告白、常磐台に行った理由、風紀委員の支部に行った理由 ――そして、美琴に完全に拒絶されてしまったことも。 (…もう、何もかもどうでもいい) そういう後ろ向きな思考だけが俺を支配していた。 ・ ・ ・ ・‥…ーー━━☆ そんな俺の目の前に、突如として『星』が出現した。 (なっ、何だ!コレは) 『星』はお先真っ暗な上条という一隻の舟が、彼の悲願(彼岸)たる一つの港に到着したときの印、 俗に言う『澪標(みをつくし)』に到達したことを想起させるように、小さいながらも身を尽くして懸命に輝いていた…。 ―――― ――― ―― その光の元を辿っていく。 そこに現れたのは、可愛らしい少女であった。 彼女の姿形が分かる距離まで歩み、見てみると、どこか見覚えのある幼い娘であった。 そして、今度ははっきりと聞いてみた。 「…こんな何もないところで、何してるんだ?」 「…お星様を描いてるのよ」 そんな返事が聞こえてきた。 彼女は先程の『星』をなぞるようにこの空間に同じものを何百個も描いていた。 「…さっき泣いていたのは、ひょっとして君だったの?」 「私は泣いてなんかいないよ、泣き虫なんて大っ嫌いよ! …でもこれから、一杯嫌なことがあるけど…決して泣いたりなんかしないもん」 …どうも要領を得ない。そして次の質問が頭に浮かばない。 そんな上条は、本当に楽しそうに描いている彼女の横顔をただ見つめることしかできずにいた。 ◇ 「よ~し、終わったよー。最後まで付き合ってくれてどうもありがとう! お礼に素敵なプレゼントを送りたいな♪受け取ってくれるよね?」 「…ああいいぜ、受け取ってやろうじゃねえか」 「良かった…。それじゃいくよ、それっ!」 彼女の合図から始まり、奇妙な姿勢で軽やかに歌って踊り出した彼女に同調するかのように、 辺り一面へと彼女の描いた星の光が、上条にとっての「常世の闇」を照らし、満ち溢れていく。 その光景はあたかも宇宙が誕生して間もないころの原始の光であった。 (これは、スゲェな!…ファンシー系が好きだったあの御坂は、きっと大喜びだろうな) ・ ・ ・ …やがて光は消えていき、また闇が戻ってくる。 「ん、もうおしまいか?素敵なプレゼントってのは?」 ――― もう隠す必要も無いでしょう。あなたは知っているのでしょう?…私が誰なのか? 気が付けば、少女は俺の隣から消えて辺りを埋め尽くす闇に溶け込んでいる。 少女の声もいきなりどこか無機質なものに変わった。 その声にも聞き覚えがあるような気がしたが、どこで聞いたのかまではやはり分からない。 …でも、彼女はどうやら俺の心の奥深く、『絶対的意識』の中に常に存在するようだった。 だからその声を聞いてようやく答えが出た。 「俺がさっきまで見てた夢の、そのまえ――最初に何度も夢の中に出てきた奴だろ?」 ――― はい。あなたならば、その答えが返って来ると思っていました。 もうじき『私』は、「この場所」から一歩も動けなくなるでしょう。 だから私はある者の『影』として、こうして時代という境界を超えて現出しています。 「…さっきの話もそうだが、いまいち要領を得ないんだけど…」 ――― 説明している時間がありませんので、次へと進ませていただきます。 ――あなたが先ほどまで忘れていて、今も後悔している『あの少女』のことについてです。 俺はその言葉に反応する。 「…御坂のことか?一体何を話そうっていうんだよ…俺はもうアイツに嫌われちまったんだぞ? 確かに後悔してもしきれないが……運命がそう決めちまったんだ」 ――― …そんなことを他でもないあなたが言わないでください。 あなたは一度、偽りの幻想から私を救ってくれたではありませんか?彼女のことは諦めてしまうのですか? 「私を救ったって、…俺は夢の中でしかオマエに会ってないんだぞ?」 と、自分で言ってハッと気付いてしまう。 夢の中で彼女が身近にいる誰かのように思っているのは、他でもないこの俺だが……記憶は別なのだ。 今の上条はどういうわけなのか、前世である『記憶をなくしたはずの少年』の記憶を受け継いでいる。 もしかしたら、彼の記憶の根幹に関わる身近な人なのかもしれない。 そして俺はある一つの結論を出した。 「ひょっとして…インデックスなのか?」 ――― はい。…ですが、正確には違います。『禁書目録』は謂わば、わたしの生き写しです。 本当の私はとうの昔に、彼女を産み落として亡くなっています。 どうやら目の前にいる彼女は、自らの過去について語るらしい。 ◇ ◇ 彼女…名前がないので適当に付けた「エル」は、まるで神話の世界にいたかのように、こう語っていた。 「エル」は文学や天体の知識に詳しく、魔術の才能に満ち溢れた少女であった。 そして若いころの彼女には生まれも育ちも同じ、愛しい少年がいた。 その少年は卑しい身分の者であったが、大きな夢を持ち、そのためには如何なる苦労をも惜しまなかった。 やがて多くの者が彼の熱意に触れて、彼を中心として神々に対抗し、ついに彼等は勝利を収めた。 ――だがそれは本来、存在し得ない歴史の流れだった。 躍起になった『神』は彼の拠り所であった少女「エル」を、自分の物にしようとして彼にとある試練を与えた。 彼には神様に対抗できるだけの力がなかったが…それでも、「エル」を神々からの呪縛から解き放とうとした。 しかし、あと一歩まで迫った彼が記憶を消されてしまったことで、「エル」は神様の子を産む結果となったと言う。 「その子供が…インデックスってことなのか?」 あまりにも馬鹿げている話である。神様は二人の強い結びつきを、記憶を消す形で踏みにじったのである。 そしてインデックスが産まれてきて間もなく、彼女は不治の病にかかってしまう。 元から無理な出産だったのだ。「エル」自身も彼女と同様に自らの死を覚悟していた。 だが「エル」は、産まれてきた『自分』の子供の輝かしい未来を、いつまでも見ていたいという強い気持ちがあったらしい。 そこで、その時代・その分野において最も秀でた才能を持つ魔術師に頼み、困惑した魔術師も承諾する。 そして彼女の病を治す形で、「エル」はインデックスに乗り移った。 ――『自動書記(ヨハネのペン)』である。 また、その魔術師は交換条件として『天上の意志に辿り着く』インデックスを自分の養女として迎え、 自身が研究を進めてきた能力開発の第一号にすることを要求し、苦悩の末に「エル」はその条件を飲んだ。 …結果は怖ろしいものであり、魔術を自由自在に使いこなす才能にも恵まれた「エル」が乗り移ったためなのか、 インデックスは古今東西の魔道書を記憶し、その魔術師の力をも上回る正真正銘の『神』の領域に達した。 だから「エル」を封印する形で、インデックスの本来の記憶が消されていたのだ。 ――― しかし、あなたが彼女と私を救ってくれたおかげで、私はこうしてあなたの前に現れることができました。 それに過程はどうであれ…『神の如き者』のおかげで再び現出することができた私は、 このことを彼女に教えてあげることもできました。 「えっ…それじゃ、」 ――― はい、彼女の記憶は戻っていますよ。記憶を消される前の私たちの記憶や 仲睦ましい二人の魔術師、彼等以外の彼女を見初めていた人たちとの大切な思い出も…。 良かった。本当に良かった…。 そう思っているのは俺ではない、記憶を失った少年だったのかもしれない。 知らぬ間に目からは一筋の涙が流れていた。 ◇ ◇ ◇ ――― 『禁書目録』は、立派なシスターです。彼女は神の子でありますが、同時にこの時代における平和の象徴でもあります。 もしあなたが彼女を助けていなかったら、あなたは今頃彼と同じ運命を辿っていたのかもしれません。 「…どういう意味だ?」 ――― あなたが最初に彼女を助けていなかったならば、私もこうして過去の記憶を取り戻すことはありませんでしたし、 何より私が、これからあなたに『正解の道』を示すことができるのですから。 あなたを愛し、あなたが愛する少女と私は、同じ運命にあるのですから…。 「…ようやく本題ってことか。でも御坂も神様に愛されているってどうして言えるんだ? 確かにここんところのアイツのツキは異常だが…それだけじゃないんだろ?」 ――― 確かに、私も神に愛されてからというもの、強運に恵まれました。 ですが、私の言う問題は他にあります。あなたは神に対抗し得る力を、ついに手に入れてしまいました。 ―――それは私の愛した人が望んだ力でもあるのです。 「つまり、ソイツと同じように記憶を消されかけた俺は、今神様の試練の前にいるっつうことか? …んでもって俺の右手にある『幻想殺し』も、その神に対抗するだけの力を持っているのか?」 上条はここまで話の筋が合っている、彼女の言うことならば嘘はないと信じる。 ――― 察しが良くて助かります。少し違いますが、そう思っていてくれて構いません。 ――『現世(うつしよ)は夢、夜の夢こそ真実(まこと)』 あなたが見た夢は現実のものとなりますが、悲観することはありません。私の彼も通った『正解の道』です。 しかし、あなたが彼女のことを強く思っていなければ、より強い結びつきがなければ、 今度こそ記憶を失うことになります。あなたにそれだけのモノや覚悟がありますか? 「…ああ、俺にはある」 上条の携帯には、美琴からもらったゲコ太ストラップがある。 かつて一度だけ自分の手から離れてしまったその装飾品は、 北極海を彷徨って、もう一度奇妙な偶然で美琴の手から俺の手に戻ってきたのだ。 これ以上の結びつきがあるはずがない。 ――― そうですか。…もしそれですら駄目なときでも、その右手のおかげで、あなたは正解にたどり着けるでしょう。 上条はその言葉に小さく頷く。自分の右手を強く握り締めて。 そして、上条の前に一本の道が現れた。 ――― …この道を辿っていけば、もう帰ってこれないかもしれません。 でもそれは、さっきのあなたのように過去に囚われることの無い、とても幸せな未来。 ――私たちのずっと思い描いてきた未来、『誰一人悲しむことのない世界』が実現する未来につながっています。 「…そんな大切なものを、俺にくれるっていうのか?」 彼女は小さく首を横に振った。 ――― いいえ、この道の先にあるのは、あなた方が創る、最も輝かしい未来でもあります。 あなたが自らの意志で歩んでいく道なのです。…夢の叶わなかった私がその未来の顛末を決めることはできません。 「…そうか」 歩み出そうとした足を一端止めて、上条は改めて彼女に聞く。 「でも、…オマエはそれでいいのか?」 ――― ……いいのかもしれません。 「…どうして、運命の赤い糸で結ばれていたオマエ達が、こんな不幸を背負わなきゃいけないんだろうな」 上条はしばらく上を向き、彼女の苦労を嘆くよう天に睨みつけていた。 そして、おそらく自分の右手が『運命の赤い糸』を打ち消すということも神の仕業のように思えてきた。 ――― でも、いいのです。こうして何千分…いえ、何十億分の一の確率で再び巡り合うことができたのですから。 「……へっ?…ひょっとして俺なの?」 ――― ふふっ、いいえ違います。彼は生まれ変わっても私と、私の生き写しである禁書目録と、今は一緒にいてくれています。 …それだけで、私はとても幸せです。 「…」 上条はしばらく黙り込み、後で大きく頷いた。 「――じゃあ、俺行くわ」 上条が一歩ずつ前に進んでゆき、後ろを振り返らずに手を振った。 振り返らずとも分かる。 彼女は嘘をついていた。――さっきまで泣いていたこと、…今も泣いていること でも本当は、彼女は嘘をついていない。――もうあの夢で見た少女は『死んだ』のだ、 …それでも今は、笑顔を浮かべて『嬉しい』から泣いているのだ だから上条は振り向かない。立ち止まれない。 彼女の見たかった世界をこの手で掴もうという決意を抱き、上条はまた歩み出す。 ― ―― ――― 夢から覚めた俺に先程の症状はなく、起き上がった俺にインデックスが抱きついてきた。 どうやらずっと魔術を行使して看病していたらしい。 「…ただいま」 「ヒグッ…エグッ…うん、おかえり…とうま」 汗が滲み出る程にまで詠唱を繰り返していたインデックスの瞳に大粒の涙が浮かんでいる。 「それから、インデックス。ごめんな、ずっと気付いてあげられなくて」 「…うん、でもとうまは悪くないよ。わたしもやっぱりとうまと同じで、本質は何も変わらなかった。 多分『前のとうま』でもね、ちっとも分からないんだと思うよ。だから、そんなこと言わないで。 私はいっぱい泣いたから…、夢の中でいっぱい泣いたから…」 「…」 「さっきも言ったけど、…わたしはもうここから一歩も動けない。 魔術もね、さっきので限界まで使い切っちゃった。」 「…」 「ほんとはね、わたしもみことを救いたいんだよ! みことはわたしが泣いてたとき、わたしを、優しく抱きしめてくれた…。ほんとのお母さんのように…。 あのとき、どんなに救われたか。 …今度はみことが泣いている。 だからお願い…とうま、わたしの思いも持っていって!みことを救ってあげて!!」 先程のエルの話から推測して、正義感の強い美琴は 俺に辛い目を合わせないために、俺から距離を置くなんていう『絶対にできない』嘘をついたのだ。 そして知った。今は助けを求めている。頼ってくれている。 だから何としてでも救い出す…今なら間に合うのだ。 いや、間に合わせる! 「…分かった、インデックス。お前の分も、俺は諦めない。忘れてやるもんか! 絶対にアイツが囚われている幻想は、この俺が跡形も残さずぶち殺してやる!!!」 ――そして、俺と神様との壮絶な戦いの火蓋が切って落とされる! 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の告白成就
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【元ネタ】北欧神話 【クラス】ランサー 【マスター】 【真名】ブリュンヒルデ 【性別】女性 【身長・体重】165cm57kg 【属性】混沌・善 【ステータス】筋力B 耐久D 敏捷A 魔力A 幸運E 宝具B 【クラス別スキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 【固有スキル】 ルーン:A 北欧の魔術刻印・ルーンの所持。 炎避けの加護:A 火神ローゲの加護により、火属性攻撃に対して強い耐性を得る。 神性:- 主神オーディンと知恵の女神エルダの娘で本人も戦女神ワルキューレであり 本来は破格の神霊適性を持つがオーディンにより神性を剥奪されてる。 【宝具】 『目覚めし戦姫(シグルドリーヴァ)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 人間と戦乙女、双方の性質を持つブリュンヒルデの戦乙女としての力の具現。 真名開放によって槍は炎に包まれ、ブリュンヒルデは一時的に力を取り戻し、戦乙女と化す。 この状態では戦乙女としての能力である、炎の環を纏った槍と白鳥の翼による飛行能力が復活する。 【Weapon】 『テュールの大槍』 勝利のルーンが彫られた巨大な槍。 重量はおよそ150kgと規格外の重さを誇る。 【解説】 オーディンに仕える戦乙女の一人。 オーディンの意に逆らった罪により、眠りの魔術をかけられ炎に囲まれた城に幽閉されていた。 炎を乗り越え城を訪れた英雄シグルドの手で、ブリュンヒルデは覚醒し二人は愛を誓い子をなす。 シグルドは再会を約し旅に出るが、再び二人が巡り合った時には、シグルドは陰謀により記憶を失っていた。 記憶を失ったシグルドの手によって、他の男と婚姻させられたブリュンヒルデは、愛憎の末シグルドを暗殺し自殺する。 死後、戦乙女としての姿を取り戻し、冥府の館にシグルドとの再会を求めて赴いたという。 【イメージイラスト】 ブリュンヒルド ブリュンヒルデ
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【種別】 魔術 【初出】 十八巻 【解説】 騎士団長が有する、武具に特定のパターンの能力を付加する魔術。 北欧、ケルト、シャルルマーニュ、ゲルマンと言った世界各地の戦士や騎士に関する神話伝承の術式を統合し、様々な『パターン』として扱う。 元来は様々な流派の武術や魔術を融合させていくことで弱点を消していこうとしたものであったが、 複雑化に複雑化を重ねていった末に、 恒星がブラックホールになるかのごとく、逆にシンプルな形へと収斂してしまった術式。 ただし完全に一つに収斂したわけではなく、いくつかのバリエーションがある。 具体的には 剣の破片を発射し、ありえない距離から攻撃する『射程距離』 何でも切り裂く『切断威力』 破壊力を増す『武具重量』 絶対に破壊されない『耐久硬度』 独りでに急所へ向かう『的確精度』 怪物を倒すために特化した『専門用途』 何者にも追いつけない『移動速度』 等。 騎士団長はこれらを自由に使いこなすことができるが、 同時に複数のパターンを付与することはできない。 なおフルンティングが行使できなくなるためか、カーテナによる供給が断たれた状態では使用不可。
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【名前】マネージャー 【性別】女 【所属】魔術 【能力】 マラキの予言 本の形をしてはいるが、魔道書ではなく魔術器具。 『マラキの予言』のシステムを利用して作ったお手軽な預言書である。 『周囲の情報を記録して、それらの情報を10年前に送れ』という命令文を刻んでおき、 この本が壊れないように10年以上保存することで、 『10年後の時点の「未来」から、10年前の「現代」へ情報を送ってきてくれる』……という仕掛け。 未来にある預言書の内容が自動的に変わり、 現在からでも結果が予想できるぐらいの『予兆』を示す変化を自動筆記する。 ~とある魔術の禁書目録 Indexマラキの予言から一部抜粋~ 彼女はメモ帳のような形にしてこれを保存しており、自分の未来を確認しては正しい選択肢を選んでいる。 因みに彼女がいつも付き従っているチャンピオン・プルートゥがあそこまで有名になったのも彼女の作った予言書の賜物なのだが、鈍感なチャンピオン様がそんな事に気づくべくもない。 魔道書・写本『ソロモンの大いなる鍵』 本そのものが魔法陣と化している事に加え、この魔道書には豊富な図版と付録にある大量のペンタクル(魔術に使う護符)が含まれている為、超高密度の魔法陣でもある他の魔道書と比べてもその情報量は多い。 つまりその分他の魔道書よりも強力で、かつ危険な代物。 『完本』の状態では幾ら鍛え上げられた魔術師でも真面に扱えるような代物ではない。 更に、もう1冊のソロモンの鍵である『ソロモンの小さな鍵』、『ゲーティア』や『レメゲトン』とも呼ばれる書の方が72柱の悪魔の召喚及び使役といった派手な内容の為か認知度が高いせいで、この魔道書は「自身の知識をより広める者に協力する」性質が他の魔道書よりも強くなってしまっている。 これらの特性からこの魔道書は『完本』としてではなく『断章』として保管されており、マネージャーが持っているのもその断章の内の一つ。 またこの魔道書の最大の特性として、「自身の知識をより広める者に協力する」性質から派生した「より自身の知識を広める為『完本』になろうとする」特性があり、自らを完全な姿に再編してくれる持ち主に引き寄せられる性質がある。 内容は主に七つの惑星の霊の力を借りる為の術式が記されており、 星座の魔術と同じく惑星の位置によって効果は大きく左右されるが一応昼夜問わず魔術を発揮する事は可能。 しかし七つの惑星の光が遮られる様な環境下では魔術を行使する事は出来ない。 魔術が行使されると惑星から放たれた最大七つの閃光が任意の地点に突き刺さり、触れたもの全てを焼き切り、破壊する。 しかしこれでも『断章』なので『完本』程の力は一割も引き出せていないらしい。 その他幻覚を見せる魔術や糸を用いて動きを止める魔術などを多用する。 【概要】 チャンピオン・プルートゥのマネージャーでもあり、彼に基本的な魔術の知識を与える師匠でもあり、 魔道書を有しその中身を学び、知識を弟子に広める魔術師“魔道師”でもある。 魔導師として完成されている者には、その者にレクチャーされた魔術師が部下としてついている事が一般的なようだが、 彼女の場合弟子はチャンピオン・プルートゥという事になるのだろう。 (知識について一応教えてはいるらしいが、余りにも理解力が無いので弟子というのも烏滸がましいレベルなのだとか) 魔道書の残りの『断章』を探し集め、『完本』を完成させる為、効率よく世界を渡り歩く方法を考えた末マネージャーとしてチャンピオンに仕える事となり、彼の武者修行に同行している。 チャンピオンが魔術を知る以前は自分が魔道師である事を隠し通していたそうだが、 現在は自らの目的をチャンピオンに説明し、理解は得られている。 『断章』を再編する事を拒む他の魔術師から襲われる危険性が十分にあるにも拘らず、快く受け入れ、更には出来る限りの協力をしてくれると言ったチャンピオンを 人間性の一点においては深く尊敬しており、決して裏切らない事を心に誓っている。 彼女が何故魔道書を再編するのかは誰にも明かしてはいないが、単に魔道書に気に入られる為だけではないようだ。 魔法名は“junctio186(繋ぎ合す真理の原典)” その名からも魔道書の再編に対する信念が表れている。 現在は表向きの職業はマネージャーとして公言しているが魔術師としての実力は高く、 ありあわせの物で探索魔術を作り上げ索敵を行ったり、敵の扱う魔術が環境を利用したものであると即座に察知し、環境を変える事で魔術を無力化するという芸当もこなす。 魔道書を用いての大規模な攻撃も出来るが、本来の彼女は搦め手や騙し討ちに近い魔術を好んで用いており、 魔道書はもしもの時の最後の手としており、あまり使う事を良しとしない。 【特徴】 基本的に目立たない格好を好むが、チャンピオンに同行する際にはその余りにも派手な格好では逆に自分が目立ってしまうのでそれなりに高級なスーツを着ている。 本人曰く高級すぎる服は気を使ってしまいがちで着心地が悪いのだとか。 背は160cm、体重は秘密。それなりに清潔な格好をしている。 【台詞】 丁寧な口調だが時折毒のある台詞を吐くことも 「チャンピオンの事は人間性の一点に関しては尊敬の念を抱いていますよ、それ以外は…まぁ、ねぇ、ってところです」 「やっと着きましたね、ここに私の探している“断章”があればいいのですが…」 【SS使用条件】 とくになし
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遭遇して僅かに5秒。 本場イタリアの伊達男ですらそこまでの無茶はしないだろう、という程の速度で姫神秋沙に告白した少年は今、6人掛けの席の真ん中で押さえつけられ、その脇で上条と小萌先生は頭を抱えて相談していた。 どうやら、この少年もまた、小萌先生の少女保護癖に関連する形で先生と知り合ったようなのだが……… 「おかしいんです………ベルちゃんは私と会った1年前から最近まで、こんなことをする男の子じゃなかったんですけど……」 「じゃあ………あのいきなりすぎる告白は一体……?」 はぁ、と珍しく溜め息をつく小萌先生。 そりゃつきたくもなるだろう。 この少年………アベル=V=スカーレットは土御門と青髪に脇を押さえられているにも関わらず、向かいの席に座る姫神にめがけて聞いているこちらが恥ずかしくなるような台詞をつらつらと並べ立てるのだから。 現に、口説かれている姫神もしゅうしゅうと顔を赤くして黙りこくってしまい、隣の吹寄がアベルに反撃する口実をばんばん与えていた。 だが、 首締め、正拳突きと吹寄の必殺技が炸裂するにも関わらず、彼はめげない。 「何で倒れない、のよ、この女の……敵め……!!」 ぜいぜいと荒い息を吐く彼女の前で、相変わらず爽やかな笑みを浮かべ続けるアベル。 それだけでも吹寄を逆上させるには十分だったのだが、 「愛の力です」 などと平然と、しかも黙っていれば女が寄って来るような顔立ちで言い放つのだから手に負えない。 じょわり、とその場全員の背筋をなめるような悪感に、吹寄の手はますます加速。傍目にはどっちが悪人だか分からなくなってしまった。 「止めろ吹寄それ以上はこっちが悪いみたいだぜぃ!」 「あかんて!なんか周りの皆サンの目も痛いですて!!」 「ええい止めるな2人とも!!これは正義の鉄拳なのよ!!」 もう吹寄をおさえるのに精一杯の土御門と青髪。その手がアベルから離れた瞬間、 ズバッ!!と。 何か光がよぎったような錯覚すら纏って包囲網を抜け出し、アベルは姫神の隣にいた。 「あう。え………?」 彼女の白いあごをくい、と持ちあげて、真っ赤になった姫神に、 「秋沙さん、このまま僕と―――」 「「「「黙ってろッッ!!!!」」」」 上、中、下、ゲージ溜め必殺(ヘッドバット)。デルタフォース+吹寄のフルコンボによって、何か後頭部から嫌な音を響かせたアベルは姫神の目前で崩れ落ちたのだった。 結局、アベルを小萌先生に任せて第7学区へと逃げ込むのに数時間を要してしまった。 若干は見慣れた風景も交じる夕暮れを歩く上条達。 「全く……幾ら外国人と言えど、あそこまで腑抜けた人間が居るとは思わなかったわ………」 「それには同感だぜぃ。やっぱりあれか。あいつは姫やんの持つヤマトナデシコの雰囲気にストライクをもらったんかにゃー……?」 「…………。う。ん?」 「確かに、姫やんも災難やったなぁ。でもまぁ、姫やんがべっぴんさんやってことの証明になるんとちゃうー?」 「………ん」 しゅうしゅう。 オイこの馬鹿野郎、と吹寄にのされていく青髪を尻目に、ことさらに顔が赤くなる姫神。 その隣で、上条は苦笑いを浮かべて言う。 「でも、良かったじゃねぇか」 その言葉に、ぴくり、と姫神の動きが止まったことにも気付かずに。 「姫神ってさ、どこか近寄りにくい雰囲気出してるだろ?なんていうか、男には特に………、こう、良く言えないけど。でも、中には姫神の良さが分かるああいう良い奴もいるんだなー……ってさ」 「…………」 返事は、無かった。 「あれ?姫神?」 隣を歩いていたはずの姫神が、数歩後ろで止まっていたからだ。俯いたままのその表情は、黒い髪に隠されて見えないが。 「どうしたんだ?どこか具合でも………」 そう言って駆け寄った上条に、姫神は辛うじて呟いていた。 「………君。は」 「?」 聞こえない上条は、耳を寄せる。普通なら、それだけで顔を赤くしそうな姫神なのに、今の彼女はそうならなかった。 「上条君。は」 「……?」 そして、とてもか細い声で、告げた。 「 」 「え?」 その言葉に上条の耳が反応し、脳が理解し、口が動こうとした時には、姫神は駆け出していた。 「ち……ちょっと待てよ、姫神!」 そう言ったものの、体の方は動かない。普通に追いかければ追い付くことなんて難しくないのに、動かない。 『上条君は―――』 (何で………だよ……) 黒い、長い髪が路地の角に消えるまで、上条は手を中途半端に彷徨わせたまま、金縛りにでもあったように凍りついていた。 『私が。他の男の人に―――』 (何で……俺は…追えないんだ?) 土御門の後ろからの問いかけが上条の耳に届くには、彼の頭をよぎる言葉が整理されるまでに時間が必要だった。 右手でも殺せない、幻想を前に。 『告白されて。良かったの…………?』 姫神秋沙は、もうすぐ闇に沈む街の中で、一人だった。 「私…………」 あの時。 いきなり外国人に告白された時。 上条君があの人……アベル君に殴りかかっていった時は少し、嬉しかった。 アベル君がずっと私を口説いていた時、苦笑いを浮かべている上条君を見て、複雑な気持ちだった。 「私は………」 そして、 『良かったじゃねぇか』 上条君に、言われた言葉。そこから先は、ほとんど彼女の耳に入っていなかった。 実際、音にして聞くとその重さは段違いだった。―――分かってはいたのに。 「少し……。夢を見過ぎたの。かな……」 大覇星祭のフォークダンスは、結局中学生くらいの女の子と一緒だった。 抽選の景品の旅行は、きっといつも一緒のあの子と行ったのだろう。 はう、と空に向けて溜め息を吐く。 何だか、馬鹿みたいだ。 「でも………。やっぱり………」 (諦めたく。無いよ) その言葉を、彼女は口にしない。口にすればする程、それは霧のように消えていってしまいそうだったから。 だから、夕闇に浮かぶ細い細い月を見上げてこう呟いた。 「上条君の。ばか」 同じ月が照らす、学園都市。そんな弱々しい明りなど無視して輝き続ける、科学の街。 とあるビルの屋上には、一人の男がいた。 一言で表すなら、時代錯誤とでも言うのだろうか。 墨のように黒い着物を緩く着流し、腰には二振りの鞘。模造品とは思えない黒塗りのそれらは、鞘の外にまで刃による殺気をあふれさせているようだった。 ただ、アラビアの血が交じっているかのようにクセのある髪や黒一色の中に精悍な顔立ちと共に目立つ茜色の目が、彼の国籍をひどくわかりづらくしている。 その男の肩に浮かぶのは、蝙のようなシルエット。ぱたぱたという羽の音が付かず離れず漂うことが、それの特異性を既に証明していた。 「水上流士、霜月上音、樹乃紙巽………」 その手にある、和紙でできた紙の束に記されているのは、とある法則に基づいて集められたこの街の能力者の名前。無表情で羅列を口にしていた男は、しばらく読み進めた所にある、一つの名に目を留める。 「…………姫神、秋沙」 そこに浮かんだ一瞬の笑みを捉えた者は、この学園都市にはいなかった。 翌日。 大覇星祭が終わったと思えば、もう一端覧祭の準備である。 特に吹寄制理は今回の大覇星祭の内容に後悔の残る結末を迎えてしまったため、相も変わらず“一端覧祭運営委員”という腕章をまとっては放課後のホームルームで熱弁を振るっていた。 ――――その、一方で。 「…………うはぁ」 上条当麻は憂鬱だった。 昨日の帰り道から、姫神はいつも以上に口数も少ないうえに上条を避けているような行動が目立ち、結局今に至るまで一言も謝罪や問い掛けの会話をできずにいたのだ。 実は、その行動の一切は昨日の姫神の言葉に少なからず動揺している上条が、普段のフラグ建てっぷりならば逃がすはずもない彼女との会話の機会を自分の無意識で避けている結果だということに気付いていないだけなのだが。 「………何ていうか、不幸だ」 その言葉が、どうして沸き上がって来るのかも知らず、少年は今もつぶやいていた。 ―――記憶喪失にも関わらず吹寄の説明を聞いていないことがどれほど致命的かにも気付かず、ツンツンの頭を机につっ伏して。 程無く、吹寄による説明を終えた上条達クラスメイトは各々開散していく。 その人混みの中で、彼女の黒くて長い髪を上条は見付けた。 そして、いつの間にか追っていた。 (あれ?何で俺はいつも通りに声を掛けられないんだ………?) 当然、一日中自問し続けたその問いに彼が答えられるはずもなく、上条は姫神の後をこっそりつけた。 彼女と共に下校している女子が一人、二人と減り、そして、姫神は一人になる。 そこで、彼女の足が止まった。 「!?」 気付かれたか、と焦る上条は何故か路地の角に隠れる。 (……何でだ?) 自分の行動にそんなことを思いながら姫神の様子を窺うが、彼女の足が止まった理由は上条では無かった。 彼女の視線の、先。学生寮に囲まれた小さな公園の車止め。 ――――そこに、赤い髪、白い肌、反則のようなイケメン………アベル=V=スカーレットがいたからだ。 「な……っ!?」 あまりに予想外すぎる登場人物に、上条の足が釘付けになる。 思えば、彼は小萌先生を知っていたのだ。彼女の高校が分かれば、姫神の足取りを追うことには苦労しないだろう。 (あれ、でも何で校門で待ってなかったんだ?) わざわざ先回りをしたのか?と壁に背を預けて混乱する上条を更に追い込んだのは、踵を返してこちらに駆けてくる姫神だった。 「って!!、わ、……」 上条が立ち去ろうにも、後ろには長い直線の路地。隠れるものなど当然無い。 「これ、は、どうす………」 彼女が別の方向へ走り去ることを期待している間に、姫神は“不幸にも”上条のいる路地へと入って来て、 「「あ」」 気まずい、と言うにも気まずい沈黙が二人に流れる。 「え。と。上条君………?」 「よ、よう、姫神……」 「………………」 「…………………」 普段の上条ならば笑ってごまかせたかも知れないが、昨日の今日でそんな振る舞いができる程、上条当麻は女性の扱いに慣れた人間では無いのだ。 よって、先に口を開いたのは姫神秋沙だった。 最初は呆然とした表情を浮かべていた彼女だったが、顔を伏し、思い、悩み、意を決して、 「上条君。手伝って」 「え………」 大覇星祭の時には顔を赤くした姫神だったが、今度は力強く上条の手を握って、しっかりと言った。 「アベル君をごまかすのを。手伝って」
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逃走した禁書目録を探して、ようやく見つけ出したステイルは、禁書目録を連れ帰る為に神裂に斬らせた。 「けどまぁ……歩く協会が破壊されたとはね」 背中から血を流し、やっとの思いで戻ってきたとある学生寮のどこかの階層の床に伏していた禁書目録を見て、呟いた。 逃げる禁書目録の背中を、歩く協会が健全だということを前提で、脅しのつもりで神裂が攻撃した。だが、彼女の一撃が入ったのだ。 「…………、」 暫し、黙考するステイル。恐らく、禁書目録を保護していたと思われる人物がそろそろ帰って来る頃だろう。 「それじゃ、準備するとしますか」 くわえた煙草の灰を、ポトリ、と落としてステイルは、今いる階層とは違う階層へと向かった。 エレベーターを使い、先程と違う階層に着いたステイルは、懐から魔術発動を可能\にするルーンカードとセロテープを取り出した。 「さてと、貼\り付け作業を始めようか」 ルーンカードとは言っても、紙にルーンを書いただけであり、使用するにはセロテープで固定が必要不可欠なのだ。 「イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王、イノケン。イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王、イノケン♪」 無言で貼\り付け作業をするのは地味過ぎるので、鼻歌を口ずさみながら壁にペタペタ貼\っていく。 「炎の巨人はー、ぼーくらーのー、未来にあーいーを運ぶ鍵ー♪」 近所迷惑な位に大声で、ノリノリで歌っているステイル。 「胸のー、希望ー、捨てちゃダメさー♪」 リズミカルにルーンカードを貼\り付けていくステイルは、どこか不気味なのだが、そんなことなどどこ吹く風か、作業を止めない。 そしてー、 Aohイノケーン!♪」 一曲丸々歌いきると同時に、ルーンカードを全て貼\り終えたステイル。最早神業である。 「ふぅ…僕としたことがつい熱唱してしまった」 これが若気の至りというものか、と妙な納得をしたステイルは、再び先程の階層へと向かっていった。
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【種別】 人名 【初出】 とある魔術と科学の群奏活劇 【解説】 柊元響季の友人の学園都市の学生。年齢、性別は不明。(作中の描写から当時の柊元と近い年齢で、女性の可能性が高い) 正確な能力は不明だが、柊元の微細構築(ミクロステラクチャー)に類した(あるいは同じ)能力を持つ。 柊元と同じ「能力者の代理演算研究」の参加者であり、研究者の無茶で能力を高め過ぎたせいでコンピュータの処理が追いつかなくなり、爆発。 肉体が粒子となって霧散するという大事故となり、事実上死亡してしまう。 同伴していた柊元はなんとか生存し、学園都市内に散ってしまった加納の粒子を回収し、能力を使って存在を取り戻そうとしていた。 粒子のみの存在になってしまったが意識は残っていたようで、パンタグルエル(未編集)戦ではミサカネットワークを通じて柊元に「生きろ」と言葉を託した。 経緯は違うが、どこか薬味久子の最後を彷彿とさせる。
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【種別】 機械 【初出】 十五巻 見た目は漫画版『禁書目録』第百四十六話 【解説】 アレイスターの直通情報網を形成する中核となる、 学園都市中に5000万機ほど散布されている70ナノメートルのシリコン塊。 当然のことながら一般の学園都市住人はその存在を知らず、 仮に存在の情報を掴んでもその小ささから電子顕微鏡を用いねば確認すらできない。 形状は球体状のボディの側面から針金状の繊毛が左右に二対・六本飛び出しているもので、 空気中を漂うような感覚で移動を行う。 機体自体が空気の対流を受けて自家発電を行うため、半永久的に情報収集が可能であり、 収集したデータは、体内で生産した量子信号を直進型電子ビームを使って各個体間でやりとりされ、 一種のネットワークを形成している。 しかし、その小ささから爆風や衝撃波を受けると損壊してしまうこともままあり、 破壊された結果1エリアでノイズが発生すると、 ネットワークのあちこちに飛び火して全体に大きな負荷をかけるという問題点も残っている。 アックアとの戦闘によって障害が発生した際には、「完全復旧まで数時間ほどかかる」と言われていた。 アレイスターが暗部も含め学園都市中の出来事に即時に対応できるのは、この情報網を利用しているからである。 ナノサイズの機体のため捕獲するのは限りなく困難であり、 その上、中に納められた量子信号は外部から不用意に『観察』されるとその情報を変質させてしまうため、 内部に納められた情報を容易に入手することは出来ない。 特性上書庫(バンク)とは比べ物にならないレベルの情報が集められており、 そうした情報を閲覧するために『スクール』はピンセットの強奪計画を実行した。 十五巻終章で垣根が敗れた後ピンセットごと土御門が回収し、 『グループ』のメンバーは内部に収集されていた今回の事件のデータから、『ドラゴン』という謎のコードを入手することになる。 滞空回線の存在を知る人間は数少ないが、 『グループ』や『スクール』以外にも、一部の暗部の人間はその存在を把握している。 例えば木原唯一は滞空回線を破壊する兵器『横紙破り(ULエクスプローダー)』を開発している。 また新入生の前身組織は滞空回線をシャットアウトしてある秘密の拠点をいくつか持っており、 新約五巻では上条とトールがその中の一つを使用していた。 統括理事長が一方通行に代替わりしてからは使われていないようだが、 代わりにクリファパズル545を情報収集に用いているらしい。
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7時00分。 上条当麻は強い日差しに目が覚めた。すっかり秋の季節になって少し肌寒い早朝。 「…ん、んーっ」 体を動かし、目をこすりながら起き上ろうとした。薄目で時計を確認する。 (…まだ七時じゃねーか。あと十五分くらいはいいだろー) 昨日のうちにインデックスの朝食のためのご飯の仕込みは終わっている。おかずも昨日の残りがある。冷凍食品の在庫も問題ない。 (むにゃむにゃ、あと十五分は寝かせてくださいましー) ん? 上条当麻は、ふと気がついた。 なにやら美味しそうなにおいが漂っている。コトコトと鍋の音が聞こえてくる。 (俺、タイマーをセットしておいたっけ?) そんなはずは無い。上条当麻は炊飯ジャーのタイマーしかセットしない。そう疑問に思い、布団を跳ね除けて起き上がろうとして――― 「へっ?」 上条はベッドから転げ落ちた。 「い、ぎゃあ!?」 盛大に頭から転げ落ちる上条。不器用な前転によって頭に激痛が走った。 「い、ってー。って、ベッド?え、え?ってここドコ!?」 上条は辺りを見回した。 ここは部屋の一室。クリーム色のカーテンから朝日が仕込んでいる。自分が寝ていたであろうベッドは全く見覚えがない。先程見たデジタル時計も自分が持っている時計とは違う。 自分の着ているパジャマらしきものも見覚えがない。床はフローリングだが、よく磨かれていて掃除が行き届いているのが分かる。ダークブラウンのクローゼットに張り付けられている等身大の鏡。ベッドの反対側にはちょっとばかり値が張りそうな机に最新式のパソコンまである。どこからどう見ても知らない場所だった。俺は寝ぼけているんじゃないのかと思って、 上条は自分の頬をつねってみた。 痛い。 (ちょ、ちょっと待て!俺は家に帰ってインデックスが寝静まってから米を研いで、朝食の確認を取って、自分の布団に潜ったはずですがー!?一体これはどうなってんだー?た、確かに昨日は自分の布団に…) と、朝から自分の置かれた状況に混乱しかけていたその時。 ガチャリとドアが開いた。 「とうま、大丈夫?さっき大きな音が聞こえたけど…」 そこには、白いエプロンを着た可愛らしい銀髪碧眼の少女が立っていた。 「へっ?」 インデックス、と呼ぼうとしたが上条当麻は声が出せなかった。今、上条の目の前に立っている少女はインデックスだろう。居候しているシスターの声を聞き間違えるはずがない。 しかし、とても奇妙だった。なぜインデックスはあの修道服を着ていないのか。なぜ普段着の上にエプロンを羽織っているのか。なぜそんなにインデックスは成長して可愛らしい女の子になっているのか。 「インデックス、だよな?」 そう呼ばれた少女は首をかしげた。 「とうま。まだ寝ぼけてるの?私以外誰がいるのよ。まあ、朝食はあと5分くらいで出来上がるから、さっさと顔でも洗ってきたら?」 「は、はあああああぁっ!?」 (さっき、何て言った?イ、インデックスが、あ、あさ、朝飯をぉ!?手伝いもまともしてくれないあのインデックスが朝飯を準備してるだとぉぉぉっ!?) 上条は両手でインデックスの肩をつかんだ。きゃっ、と可愛らしい声を出していたがそんなことまでに意識が届いていない。 「お、おいっ。インデックス!一体これはどうなってる?お前が朝食を作っただと?それもおかしいが、まずココは何処だ!?俺たち昨日は俺の家で寝てたよな?「明日は魚がいい」とか言って俺に三枚下ろしを頼んでたじゃねーか。しかも、何でそんなに背伸びてんだよ。一五〇センチぐらいだっただろ?御坂より背高くないか?お前」 次々と溢れる疑問の数々。おかしい、絶対おかしい。ドッキリにしては手が込みすぎている。一体何が起こった。そう言おうとして、上条当麻はふと我に返った。 「と、とうま。本当にどうしたの?とうまが言ってること全然分かんないよ。私はインデックスだし、ここはとうまの家だし、ご飯だって半年前から私が時々作ってるじゃない」 ―――――――な、んだって? インデックスは上条の顔をじろじろと見ながら少し困った顔をしていた。大きな碧眼の瞳。きれいな女の子の顔を間近で見ているだけで上条は変な気分になってきた。当麻はあわてて目をそらした。 「す、すまん。インデックス。ちょっと変な夢を見ててな。つ、つい」 「…とうまが寝ぼけてるのはいつものことだけど、今日は結構ひどいね。熱でもあるの?」 おでこに手をあててきた。上目づかいで顔をうかがう仕草といい、インデックスのエプロン姿といい、女の子特有の香りといい、かぁっと上条の顔が赤くなってしまう。 「だ、大丈夫ですって平熱平穏平凡な高校生上条当麻ですよどんなことが起ころうともびくともしないバッチグーでストロングな心の持ち主上条当麻です!」 「うん、いつものとうまだね」 にっこりほほ笑むエプロンシスター。上条は不覚にもドキッとしてしまった。 「じゃ、じゃあ、顔洗ってくるから」 「うん」 そう言ってインデックスは長い廊下を歩きだした。奥に居間があるのだろう。 「あ、あのインデックスさん?」 「なに?」 「洗面所ってどこにあるんだっけ?」 「…とうま、病院行ったほうがいいかも」 とある魔術の禁書目録 「並行世界(リアルワールド)」 さて、状況を確認しよう。 また世界が変わっている。『御使堕し』とはまた種類が違うようだが今の状況が異常なのは確かだ。現状を鑑みるに上条当麻は『未来』に来ているらしい。 朝から上条は驚きの連続だった。 鏡を見ると顔つきが少し刀夜に似てきており、身長が180cm程度もあった。髪は短く、ハードタイプのワックス(いつも使っているものより高価な品)を使ってツンツンした髪型にしてもしっくりこない。仕方なく当たり障りのない髪型に変えた。ここは3LDKの一室で最新式のTPSセキュリティになっているアパートであり、上条の家とはエコノミークラスとファーストクラスくらいの違いがある。居間に行くとインデックス作の完璧な和風朝食。これがまた美味かった。(上条感覚的に)高級感あるクローゼットを開けると自分の通っていた高校とは違う制服があった。学ランではなく、(上条感覚的に)これまた高級感溢れる黒で統一されたブレザー。袖にある金色のラインや左胸にあるエンブレムがなければスーツに見えそうな制服。そしてそのエンブレムはこの学園都市の生徒ならだれもが知っているマーク。 双頭の龍に一本の剣の刺繍。 「な、ななな長点上機学園!?」 流石の上条当麻も腰を抜かした。 無理はない。長点上機学園とは学園都市最高峰の難関校。大能力者(レベル4)以上の能力者、なおかつ軍事的分野に突出した能力を有していることが最低条件であり、その上いくつもの学園都市最難関の試験を突破するか、一定以上の地位を持つ有権者15名以上の推薦状が必要なのだ。ちなみに上条は『無能力者(レベル0)』。入学どころか受験条件すら満たしていない。 なぜ俺がこの制服を持っているのか。 俺は長点上機学園の生徒なのか。 はたまた、今の俺はコスプレに目覚めただけなのか。上条の疑問は増える一方だった。 二十分ほど部屋や洗濯機の中、ベランダと探し回ったが、いつもの学ランが何処にもない。仕方なく長点上機学園の制服を着ることにした。ワイシャツが背丈にピッタリである。本当に信じられないことだが今の俺は長点上機学園の生徒らしい。 「…ネクタイの締め方が分からねぇ」 ポケットに仕舞っておくことにした。 そんなこんなで上条はアパートから飛び出した。 場所は第7学区の高級街。学園寮では無いらしい。長点上機学園の場所は知っているので地理感覚に困ることはなさそうだ。 「って、困ることばっかりだよ!!」 不慣れな制服に戸惑いを覚えつつ、とりあえず学園を目指した。上条の高校を訪れようとしたがこの制服では場違いだ。怪しまれる。土御門の家に行って直接確かめるのが良いが、前回のように土御門がこの変化に巻き込まれていないという保証はどこにもない。上条の家は学生寮であり、旧型だがいっぱしの監視カメラとセキュリティはある。不用意に近づくのは危険極まりないだろう。そんなことを考えていると常盤台中学の校門に差し掛かっていた。視線を感じるなと思いつつ周りを見渡していると常盤台の生徒がチラチラと上条のほうを見ていた。 (…やっぱ目立つよなぁ。この制服) 長点上機学園。 五指の頂点に立つ学園。同じ五指に入る常盤台といえどブランドの点でも長点上機学園には翳る。そんなライバル校の生徒が登校時に名門学校の校門を横切るのだ。注目されて当然と言えば当然なのだが。 「………はぁ、なんか、不幸だー」 名門学校に入学して周囲からチヤホヤされる人たちが羨ましいと思ったことはあるが、実際にそうなってみるとそんなに良い気持はしない。むしろ鬱陶しく感じさえする。 トボトボと歩くこと数十分。長点上機学園の時計塔が見えてきた。周囲には登校している長点上機学園の生徒がちらほらと見え、生徒同士は視線が合う度に軽い会釈をしている。挙動不審だと怪しまれるので、周りの真似をしてみることにした。向かい側で歩いている長点上機学園の男子生徒と目があった。中学生と思われるがメガネを掛けていていかにも優等生らしい風体をしている。軽く顎を下げ、挨拶した。 ビクッ!と驚いたように上条を見てきた。そして体を震わせると何度もこっちに頭を下げ、走るように長点上機学園に向かっていった。 驚いたのは上条のほうだ。 (な、なんか間違ってたかー?俺。も、もしかしてネクタイしていないだけで変に思われたとか?) 後ろからゴロゴロと奇妙な音がした。 「すいませーん!道を開けてくださーい」 振り返ると人込みをかき分けながらローラーシューズで登校している女子生徒が見えた。 彼女も長点上機学園の生徒らしい。左胸に双頭の龍と一本の剣の刺繍がある。通り過ぎる直前、おはようと上条は声をかけた。彼女はゴーグル付きのヘルメットを着用していて、ゴーグルを上げながら挨拶をしようとしたところ 「あっ、おはようございまーす…って、えええええ!?ってて、きゃああっ!」 と、コントロールを失い盛大にズッコけた。 「あぶねぇ!」 上条は咄嗟に彼女の体を掴み、庇うように地面に叩きつけられた。 「うぐっ!?」 「あひゃ!」 背中に強い衝撃が走る。腹部に妙に柔らかい感触を感じるが、今はどうでもいい。 「…っ、大丈夫か。お前」 「…えぇ、あ、はい。すいませ…って、きゃああああああああっ!!」 「ど、どうかしたのか!?」 へたり込む少女は上条の顔を見るなり頬を真っ赤にすると、あわわわ、と慌てふためいて叫んだ。 「い、いいいいえ、か、かかかか上条様に、あ、朝からお逢いになれるだけでは無く、た、たた助けてもらえるだなんてぇぇ!」 ………………………………………………………………………………………………はい? 上条当麻は凍った。 (か、かかかみ、かみ、上条「様」!?上条「様」だとおおぉぉぉ!?) 上条は限界メーターが振り切れそうだった。 「か、上条様!上条当麻様、ですよね!?本っ当に申し訳ありませんでしたぁ!わた、私は高等部1年A組の羽平くるると申しますっ!ああっ、助けてもらってのお礼がまだでしたね!ありがとうございますぅ!こ、ここのお礼はまた後日改めてお伺いしてもよろしいでしょうか!?上条様とこうしてお話ができるだけでも感激なのに、身を呈してまでこんな私を助けてくださるなんてぇー、きょ、今日はとっても幸せな一日になりそうですぅ~」 周囲が引くほどのマシンガントークを発する女子を眺めながら、上条当麻は彼女を観察していた。 金髪でウエーブがかかったロングヘアーでインデックスと同じ透き通るような碧眼。西洋人風の女子でローラースケーターの格好がよく似合う生徒。なかなかの美少女だ。 うーむ、Aの75か76か。洗練された上条的触感(?)センサーで詳細なバスト値を測定していたところ 「あ、あのー上条様?」 「!…っは!?な、何でごさいましょう!私め上条当麻は貴女のバストがAの75か6だなんてちっとも思ってもいませんが!」 「……Aの75ですけど」 「って、答えるなよ!」 一体何なんだこの子。というかこの世界は一体どんな設定になっていやがる。俺が「様」扱いされるなんて夢にも思ったことはねぇぞ。ま、まさかこれは俺も知らない内なる願望が反映された世界だったりして―?!と、妄想に入り浸っていた。 「上条様!本当にありがとうございます!このお礼、必ずさせていただきますから!!」 ニコニコとした笑顔で大きく頭を下げると、鼻歌を歌いながら何度もこっちを振り向いて走り去っていった。 若干引きつった笑顔で手を振る上条。 「…何だった。一体」 嵐が過ぎ去ったように静かになる空気。 まあいい。と、学園に足を向けた瞬間――― 「とう、まっ!」 いきなり腕に絡みついてきた。それまたすんげー美少女が。 「どァあっ!?」 肘の辺りにマシュマロのような柔らかい感触を感じた。 「当麻はどーして私が目を離したすきにすぐ女の子と仲良くなるのかなぁー?」 (ちょっと待て!当麻?俺を呼び捨て?こいつ一体誰!?ダレ?ダレナノヨ!?) しかし、声は聞き覚えがある。腰まである茶色いロングヘアーに、上条よりも十センチほど低い背丈。ベージュ色のブレザーに紺色のプリーツスカートを穿いている。Cの85程度(上条的触感(?)センサーより測定)のバストを持つスタイル抜群の少女。以上の情報から上条の脳内ではじき出した結果、 「美、美琴?」 「四日ぶりに当麻と会えると思ってすっごく楽しみにしてたのに、これだもんなー。もう慣れたけどね。当麻の浮気性には」 と膨れた顔で頬をつついてきた。 …何なんだ。こいつのデレッぷりは。 「ねえねえ、当麻」 「な、何だよ」 上条の頬に、ふいに唇が触れた。 ――――――――え? 「ちょ、ちょちょちょちょっと、なにすんだお前!?」 周囲の視線が痛い。公衆の前でキスするとは。 「当麻が浮気するからでしょ!」 「はい!?」 御坂と付き合ってんの――!?Why!?What for!?How many(?)!? て、天変地異だ。これは俺の願望でも未来でもねえ――!御坂と俺が?御坂と俺が!?カレシカノジョのカンケイ?誰の思惑だ!?これはやり過ぎだろ! けどやばいヤバいヤバイヤヴァーイ!!このツンデレっぷり何か胸に迫るものがありますよー!? 「ねえ、当麻。来週の土曜、空いてるよね?」 「は?」 「は?じゃないわよ!先週から言ってたじゃない。もう忘れてるの!?」 「…あー、そうか、そうだったな!い、いや忘れてたわけじゃないぞ?ここんとこ定期試験のことで頭いっぱいだったから」 (ど、どうにかして話しを合わせておかないと…) 「……ふーん。私より定期試験の方が大事なんだ。当麻は」 「そんなことねぇよ!」 反射的に上条は叫んでしまった。しかし、反射的にそう言ってしまうくらい御坂が可愛かったのだから仕方がない。 御坂は上条が見たこともない柔らかい笑顔を作ると、ガシッと両腕で上条の首をつかんだ。美琴の顔が近い。吐息の温かさを感じるほどに。 「ねぇ、当麻。来週の土曜日…」 美琴の顔が赤い。というかめちゃくちゃ可愛い。やべぇ。俺どうかなっちまいそうだ。 小さい声で、そっと呟いた。 「いっぱいエッチしよ?」 チュッ 「じゃーねー、当麻ー。後で連絡するからー」 大きく手を振りながら去っていく御坂美琴。反射的に手をふる上条。 上条当麻はどうかなってしまった。